上乃暮 誠実人の雑記 

NO.4(2023/8/4)



漢方薬と西洋薬の違いと医食同源、薬食同源に関して

 
  西洋医学の薬では東洋医学でいうところの虚証(気虚、陽虚、血虚、陰虚)は治せないと言われている。例えば(老化による)陰虚がその例である(例えば老化によって足が痛くて立つことや歩くことが難しい状態等)。西洋医学の薬は結局のところ実熱(過剰な熱)を冷やす薬だからである(漢方薬でも実熱を治療できる)。つまり西洋薬を飲み、薬が効いている間は実熱(過剰な熱)を取ることのみ可能だとされる。したがって西洋医学の薬(化学薬品)を飲むこと自体が体を冷やす行為なのである。例えば白砂糖を取ることは同様である。したがって化学的に作られたもの(例えば化学保存料)は消化吸収に際して脾胃を冷やすとされている(脾胃で消化吸収してその薬が効く場所を更に冷やすのである。)。
  したがって以上から例えば補陰薬、補血薬を飲めば西洋医学で治らない病気も治ると思うであろう。しかし補陰薬、補血薬の多くは傷脾胃気するのであり、補気薬、補陽薬等で脾胃を保護しなければ、更に脾胃気虚を悪化させることになり、脾胃気虚になれば補陰薬、補血薬の消化吸収がしっかりできず滞ったりもするので、補気薬、補陽薬等で脾胃を保護しないで補陰薬、補血薬を飲む行為は愚かな行為だと言わざるを得ないのである(脾胃は後天の本と言われ、飲食物を消化吸収、運化し元気を提供する元であり、「脾胃を内傷すれば、百病これより生ず」とされるのである。( 「仮説 日本人が中国人に比べて異常に脾胃(胃腸等)が弱い理由 日本民族は存続できるのか? 第三回(全三回)」 参照。))。以上から補陰薬、補血薬について書かれている中薬学(生薬学)の本、および中薬学を基にして作られた方剤について書かれている本を方剤学というがそれらを読んでそれを妄信して薬を飲めば必ず危険な目に会うことになるのである。
  ところで医食同源、薬食同源という言葉があるように食が病気を治す及び健康を維持するために重要であることは事実である。ただし現在の生薬のすべてが食事において使われているわけではない(もちろん使うことはできる。)。したがって臨床で使われている生薬(漢方薬)は一般的には食事においては使われない(薬膳料理では使ってもいいだろうが)。それはやはり臨床で使われる生薬(漢方薬)は日頃食事で食べている食材と比べて薬効が強いからである。薬効の強い臨床で使われている生薬を病気でないのに食事に使わないのは良くも悪くも薬効が強いので体に負担がかかるからであろう。臨床で使われる生薬の本を中医学では中薬学という。そして主に食材についての薬効について書かれた本は食養生の本、薬膳の本として売られている。しかし作者によって意見が異なるものもあり、注意が必要である。そしてその逆でどの本でも同じように書かれているものでも全くの間違い(つまり嘘)のものも存在する。したがって中薬学の本、方剤学の本、食養生の本、薬膳の本を読んで生活に取りいれようとして読んだとしても大事なことはその本に書いてあることを妄信しないことである。
  以上から西洋医学の医師が出す漢方薬および漢方専門薬局が出す漢方薬も盲目に信じて飲むのは危ないことである。それは「仮説 日本人が中国人に比べて異常に脾胃(胃腸等)が弱い理由 日本民族は存続できるのか? 第二回(全三回)」に書かれてある通りであるのでそちらを参照。
  バートランド・ラッセルの『西洋哲学史 古代より現代に至る政治的・社会的諸条件との関連における哲学史 1』(市井三郎(訳) みすず書房 1970年)の第十六章 プラトンの不死説 P144には、インドやティベットの聖者は、いかなる装置をも必要とせず、身にまとうものは一枚の腰布だけであり、米だけを食い、きわめて細々とした慈善によって生活を支えられている。そしてそれは、彼らが賢者だと考えられているからである。と書かれている。米(生薬の粳米は玄米であり、そのためここで出てくる聖者が食べていた米も玄米だと思われる)だけで健康に生きるだけの栄養がとれるのではないかと米が主食であることおよび中薬学の本を読むとそう思うのである。中薬学の本(これは『中薬大辞典下冊』江蘇新医学院(編)上海科学技術出版社 1977年 P2511 粳米)を読んだところ玄米には補脾気、補脾陰、補腎気、補腎陰の効果があるようにつまり補正気薬(ここでいう正気とは、真気と(に)同じである。人(間)の体の効能(機能)の総称,しかし(ただし、ところが)通常(普通)は向かい合い(相対し)やって来る病邪(病(気)になる自然的要因)との説(学説、論)で,人(間)の体の病(気)に抵抗する(抵抗して戦う、拒む)能力(力量)のことを言う(指す)。《素問・遺篇・刺法論》:“正気は(人体)内(部)に存在する(蓄える、貯蓄する、保存する),邪(病気になる自然的要因)はおかすことはできない。”(『中医大辞典 第2版』李経緯(等、主編)人民衛生出版社 1995年 P416 正気@)。 扶正固本は、治す(治療する)規則(決まり、規範、模範)。扶正は,正気を扶助する(助ける)こと,固本は,人体が病(気)に抵抗する(抵抗して戦う、耐える、拒む、逆らう、対抗する)本(根もと、根本、根源のこと)に保養と看護をすること。腎が先天の本であり,脾が後天の本であるので(あるために),したがって(だから)扶正固本とは,重ねて(重複して)補脾腎(脾と腎を補うこと)を育成する(養成する、育て上げる)ことであり,生理機能の回復(立ち直ること、取り戻すこと)を促進させて(に拍車をかけて、を促して),正気を回復して(元どおりにして)邪気を引かせる(撤退させる、取り除く、減少させる)目的を達する(到達する、達成する)ことができる。具体的に実際に(本当に)扶正固本を実施する(施行する)ことは,全部(すっかり、一括して)各種の(さまざまな)補益の方法(やり方)の範疇(カテゴリー)である(に属する、のものである、に帰属する)(『中医大辞典 第2版』P826 扶正固本)。)であろうと読み取れるからである。薬膳の知識を知らず化学的な栄養学を信じている者においては玄米の栄養分を失わせるおかずを食べてしまい、玄米を食べる意味を失わせるどころか栄養を全くとれない食事をとる、及び体を傷つける有害な食事をとることになりやすい(さらに言えば現代日本人は、化学的に作られた食品添加物が入った食品をとり、脾胃を冷やして身体を冷やしているのだが、日本国民のほとんどの人はそのことに気づいておらず、すでに国民のほとんどは脾胃気虚になっているのではないかと私は考えるのである。)。そういうことを考えると玄米のみを食べることの方が薬膳の知識のない者にとっては健康に良いのである。具体的に言えば現代においては日本人のほとんどは当然そうなのだが、日本同様インドやティベットでも主食の米の重要性を知らず、米よりもおいしい、そして高価なおかずを求め、そのおかずににんにくや玉ねぎのような行気薬が入っているが、行気薬が体を消耗するものだとも知らず、米を食べて補ぎなった分まで無益にするものだとは知らず、おいしいおいしいとにんにくや玉ねぎやにらや大根やにんじんのような行気薬の肉体を消耗させる食材(生薬)の入ったおかずを喜んで食べているのが現代人だと思われる。マスコミや化学(医学や栄養学や薬学等)がにんにくや玉ねぎをとることは健康によいというが実は嘘であるのだが、皆、 科学的意見ということで(それは嘘なのだが)騙されてこれに気づかず肉体を消耗させるために食事をとっているのにそれに気づかずおいしかったと満足しているのである。外で売られているものでにんにく、たまねぎ、コショウ等行気薬が入っていない有名なおかずはほとんどないのではないかと私は思うのである。残念ながら私はただ粳米のみを食べて生活をしている人を見たことがないので粳米のみを食べて生きられるのかは本当のところはわからない。しかしバートランド・ラッセルの『西洋哲学史1』に書かれているように現実には可能な気がするのである(兵粮米というものもあるわけである)。
  したがって日本の医者のほとんどは、以上に書いたことを知らず、そのため病名だけでその病気の原因を解明しないで西洋薬や漢方薬を出しているので、西洋医にかかってもほとんどの病気は治らないのである。つまり西洋薬は基本、実熱が原因の病気しか治すことができないのである。医者は臨床経験をある程度つめば、西洋医学の薬のほとんどが効かない現実を知るだろう(病院で出す漢方薬についても同様である)。しかしそれをわかっていて患者に嘘をつき、効かない薬を効くとして出し続ける(そして副作用を与える)医者という職業を続けていられる医者という存在は、サイコパスであると思うのである。医者だけではない歯医者も同様である。だから医者や歯医者のほぼすべてはサイコパスであるという意見があるのである。しかしこれに対して医学部を卒業した時点で、西洋医学の目的は人間を機械化すること(手術したり、人工の異物を体内に入れたりして)であり、つまり西洋医学では人間は物理・化学の法則によって動いているというものとされており、したがって人間には魂は存在しないし、したがって神も存在しないというのが西洋医学の思想であり、このことがわかっているのにも関わらず医者になっているのだから医者のほぼ全てはサイコパスなのであると言えるのである。物理・化学のエネルギー保存の法則から性的欲求不満こそ健康に良くないので性行為したくなったら(我慢しないで)するのが健康に良いのだという 性行為の無害化の嘘をついている西洋医学の理論がその例である。したがって西洋医学・歯学の医者のほぼすべてはサイコパスなのである。そう考えると薬学部、栄養学部、看護学部を卒業した人間も同様にほぼすべてはサイコパスであるといっていいと、そういう考え方ができるのである。だから効かない薬を効くと言う医者、薬剤師のひどい嘘が多く存在しているのである。サイコパスの問題は知性の問題というよりは感性の問題なのである。普通の人の感覚では決してできないことをできてしまう(してしまう)のがサイコパスなのである。サイコパスとは本当に恐るべき存在なのである。
 
 
  *補陰薬、補血薬について述べたが、これについては少し知識がある人ならばCMでも流され、有名で市販されている(当然病院でも出されている)八味地黄丸について思いつく人がいるであろう。八味地黄丸は附子と桂皮(本来は桂枝なのだが、日本では桂皮(肉桂)が使われている。)が入っているのである程度脾胃を保護してくれるが、市販されている(あるいは病院でも出されている)八味地黄丸の附子と桂皮の入っている量を見ると完全に脾胃気を保護して一切脾胃気を損なわないとは、とてもではないが思えない(脾胃は後天の本と言われ、飲食物を消化吸収、運化し元気を提供する元であり、「脾胃を内傷すれば、百病これより生ず」とされるのである。(「仮説 日本人が中国人に比べて異常に脾胃(胃腸等)が弱い理由 日本民族は存続できるのか? 第三回(全三回)」参照。))。それに 相火論からも八味地黄丸は飲むべきはないと思うのである。したがって私は八味地黄丸を腎陽虚(あるいは心腎陽虚)でない限りは飲むべきではないと考える。そうでないのに八味地黄丸を飲むのはあぶないのではないかと考えている。もし腎陽虚(あるいは心腎陽虚)である人が、市販されている八味地黄丸を飲む時は、補気薬等を加えなければ脾胃をしっかり保護できず脾胃気を消耗するのではないかと思うのである。
 
 
  *粳米についてだが、病気の人の治療に使うのなら、値段は高いと思うが薬用品種の粳米(玄米)が生薬メーカー(例えばウチダ和漢薬、栃本天海堂等)から売られているのでそれを使うのが好ましいと思う。薬用だから当然(食用も同様であるが)、農薬も化学的な肥料(化成肥料)も使用しないで栽培するのが好ましい。
 
 
  *例えば補血剤の四物湯や補気剤の六君子湯、補中益気湯のような方剤には、行気薬が入ったものがあるが、行気薬は常用するもの(できるもの)ではない(常用(毎日(一日三回)飲んだり)するのはとても危険な行為である)。病院や漢方専門薬局では行気薬は常用できるとして漢方薬を出している(なぜならそれは漢方薬メーカーがそのように常用するようにと漢方薬を作って販売しているからである。そのため病院や漢方専門薬局では漢方薬製薬メーカーの言うことを妄信し、漢方薬メーカーは漢方薬の文献(方剤学等)を妄信して漢方薬の方剤を作るのである)。Webサイトを見るとそういう嘘だらけのものばかりである。 補中益気湯は特にがんになった人に対して免疫力を高めるとして病院では出されるものとされている。しかし四物湯も六君子湯も補中益気湯も皆傷(脾胃)気して飲めたものではない、飲んではとても危険である(傷陰もする)。その理由は行気薬が入っているからである。特に補中益気湯には柴胡、陳皮、当帰の三つも行気薬が入っているにも関わらず、免疫力を高めるからガンになった人は飲むべきであるという嘘は、本当にひどすぎる、限度のないものである。またたったの一回だけ行気薬を飲もうと考える場合でも市販の漢方薬(病院で出されるものも)には行気薬(の量)が入り過ぎている( 湯剤の行気薬なら絶対飲んではだめである。)ので市販の漢方薬の方剤で行気薬が入っているものは飲むべきではないと私は考える(補気薬も足らないのであるし)。
 
 
  *湯剤(煎剤)を作る際には鉄、アルミニウム、銅等金属の入れ物を用いる(使う)のを避け、土器・陶器(あるいはガラス器、瀬戸引きでもよいという本もある。)で湯剤を作るのが適しているとされる。それは、金属のために生薬の成分に対して変質させる(化学反応を発生させる)ことはやさしいからで、その結果、治療効果を下げさせることが可能であるからだという。甚だしきに至っては有毒な副作用を生じる。具体的には、例えば、(これは化学的な意見だが、鉄分と生薬(食材)に含まれるタンニン質が結合し、新しい成分のタンニン鉄に変わり、これを飲むと)胃を荒らしてしまうという。したがって粳米の玄米を湯剤として飲まないで、食用として炊く時も土器・陶器(あるいはガラス器、瀬戸引きでもよいという本もある。)で行うのが適しているのである。
  (2023/8/4)
                       



上乃暮 誠実人の雑記  NO.5(2023/12/12)へ

上乃暮 誠実人の雑記  NO.3(2009/10/27〜2023/3/3)へ

上乃暮 誠実人の雑記  NO.2(2009/4/19〜2009/7/9)へ

上乃暮 誠実人の雑記  NO.1(2009/3/13〜3/15)へ

上乃暮 誠実人の雑記  目次へ 




© 2005-2023 ネット 理想